- プログラミングを始めたいけど、どの言語を選べばいいか分からない
- 間違った言語を選んで挫折したくない
- 各言語の特徴や需要・想定年収について知りたい
最初の言語選びは、学習のモチベーションや将来のキャリアを大きく左右する重要な一歩です。間違った言語を選んでしまうと、すぐに挫折してしまうかもしれません。
この記事では、あなたが「作りたいもの」と「将来性」に合わせて最適な言語を選べるよう、選定基準から主要言語の特徴までを徹底的に解説します。この記事を読めば、迷うことなく学習をスタートできます。
まず知っておきたい「プログラミング言語」とは?
プログラミング言語とは、簡単に言えばコンピューターに命令を伝えるための「通訳」です。
コンピューターは電気信号(0と1)でしか動けません。そこで、私たちが使いたい日本語や英語に近い言葉(プログラミング言語)を使って命令を書き、その命令をコンピューターが理解できるように翻訳(通訳)することで、初めて動かすことができるのです。
なぜ言語を「選ぶ」必要があるの?
イメージしてみてください。家を建てるとき、設計図(プログラム)を書くだけでなく、どの道具(言語)を使うかが重要になります。
目的 | 使う道具(言語のイメージ) |
---|---|
繊細な家具を作る | ノミやカンナ(例:Python、Rubyなど) |
高層ビルを建てる | クレーンやブルドーザー(例:Java、C++など) |
このように、Webサイトを作る、AIを開発するなど、「あなたがコンピューターに何をさせたいか」によって、最も得意で効率的な言語が決まります。最初の言語を選ぶということは、「あなたの目的を達成するための最も強力な道具」を選ぶことと同じなのです。目的を明確にすることで、最適な言語が見えてきます。
プログラミング言語を選ぶときの4つの重要観点
闇雲に「人気だから」という理由だけで選ぶのは危険です。以下の4つの観点を基準に、自分に合った言語を選びましょう。
何を作りたいか(目的)
これが最も重要な観点です。
WebサイトやWebアプリ → TypeScript/JavaScript, Python, PHP, Ruby, Go
AI開発・データ分析 → Python, R
スマホアプリ(iOS/Android) → Swift, Kotlin, Java, Dart, TypeScript/JavaScript
ゲーム開発 → C#, C++
大規模なバックエンド・インフラ → Go
習得難易度(学習コスト)
文法がシンプルで、初心者向けの教材が豊富にある言語ほど挫折しにくいです。一般的に、Web系のスクリプト言語(Python, Ruby)は比較的易しいとされています。
シェア率(人気度・情報量)
開発者が多く、コミュニティが活発な言語は、学習中にエラーで詰まったときにインターネットで解決策を見つけやすいという大きなメリットがあります。
需要と年収(将来性)
求人の多さや、将来的に高収入を狙える分野(AI、データサイエンスなど)に直結しているかをチェックします。需要が高い言語はキャリアチェンジがしやすくなります。
主要なプログラミング言語別の特徴と比較
ここでは、先述の観点に個人的なおすすめ度を加えた5つの観点(目的、難易度、シェア率、需要、おすすめ度)に基づいて、主要な言語を比較します。
言語 | 作れるもの/得意な分野 | 習得難易度 | シェア率 | 需要 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|---|
Python | AI・機械学習、データ分析、Webアプリ (バックエンド) | 低 | 非常に高い | 高 (AI分野で最高水準) | |
JavaScript | Webサイトの動き、Webアプリ全般、スマホアプリ | 低 | 非常に高い | 非常に高い | |
TypeScript | 大規模Webアプリ、JavaScriptの保守性向上 | 中 | 非常に高い (大規模Web開発で必須) | 非常に高い | |
PHP | Webアプリ、WordPress開発 | 低 | 高い (案件が多い) | 中〜高 | |
Ruby | Webアプリ (Ruby on Rails) | 低 | 高い (日本での教材が豊富) | 中 | |
Dart | スマホアプリ (Flutter)、Webアプリ | 中 | 拡大中 (クロスプラットフォームで人気) | 中〜高 | |
Go | 大規模バックエンド、CLIツール、インフラ開発 | 中 | 拡大中 (スタートアップで人気) | 非常に高い | |
Kotlin | Androidアプリ、サーバーサイド | 中 | 非常に高い | 高 | |
Swift | iOS/Macアプリ | 中 | 非常に高い (Apple製品必須) | 高 | |
C# | Unityゲーム開発、Windowsアプリ、サーバーサイド | 中 | 高い (ゲーム、Windowsで強力) | 中〜高 | |
Java | 大規模システム、Androidアプリ、エンタープライズ | 中〜高 | 非常に高い (大規模開発の定番) | 非常に高い | |
C++ | 高性能が必要なアプリ、OS、ゲーム (Unreal Engine) | 高 | 非常に高い (コンピューター科学の基礎) | 非常に高い | |
C | OS開発、組み込みシステム、ハードウェア制御 | 高 | 非常に高い (低レイヤーの基礎) | 非常に高い |
この表の「おすすめ度」は、あくまでも「プログラミング学習を始める初心者が、挫折しにくく、楽しく学び、キャリアの第一歩を踏み出す」という観点から評価したものです。
例えば、C言語やJavaの需要は非常に高いですが、学習難易度が非常に高いため、初心者向けとしては低い評価になっています。
補足:プログラミングの「土台」となる言語
以下の2つは、上記の言語を動かすための「基礎体力」としてWeb開発では必須の知識となります。
よって、Webサイトを作りたいなら、まず HTMLとCSS を先に学ぶ必要があります。これらはプログラミング言語ではありませんが、Web開発の最も基本的な要素です。
言語 | 作れるもの/得意な分野 | プログラミングの難易度 |
---|---|---|
HTML | Webサイトの骨組み(文章や画像の配置) | 非常に低い (マークアップ言語) |
CSS | Webサイトのデザインや装飾(色、レイアウト) | 非常に低い (スタイルシート言語) |
まとめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、「初心者が最初のプログラミング言語を失敗しないためのポイント」についてご紹介させていただきました。
最初のプログラミング言語選びは非常に重要ですが、「最初の言語は、プログラミングを学ぶための道具でしかない」ということを忘れないでください。
1つ目の言語をしっかり習得すれば、プログラミングの「考え方」が身につきます。そうなれば、2つ目以降の言語は格段にスムーズに習得できるようになります。
まずは「作って楽しい」と感じられる言語を選び、学習を継続することを最優先に頑張ってください!
もし、「私は何を作りたいんだろう?」と迷ったら、まずはWebの基礎であるHTML/CSS/JavaScriptから触れてみることをおすすめします。